切り抜き動画に対しては、多くの人が次のような疑問を持っています。
結論を言うと、切り抜き動画で収益を得ることは可能です。
正しく手続きすれば違法性も全くありません。
しかし、始める前に絶対に知っておいた方が良い知識やコツというものがあります。
これを知らずに切り抜き動画を始めて、数か月後に挫折してしまう人が非常に多いです。
私もまた何も知らない状態で切り抜き動画を始めたので多くの苦労や失敗をしました。
しかし試行錯誤を繰り返して、なんとか収益化することが出来ました。
このサイトでは実際の経験から得られた知識やコツを共有していきたいと思います。
本記事では、切り抜きを始める前に必要な準備と収益化するためのノウハウについて説明します。
この記事を読めば「切り抜き動画を始める前にやるべきこと・知っておくべきこと」が明確になり、自信をもって活動をスタートさせることができます。
切り抜き動画が普及した理由
切り抜き動画が普及した要因に、視聴者のニーズがあったということは大前提です。
その上で、切り抜く側と切り抜かれる側の双方にメリットがあること。
これが切り抜き動画が急速に普及した理由です。
切り抜きをする人には次のようなメリットがあります。
- 自分で動画を撮影せずに、YouTubeでチャンネルを運営できる
- 基本的な編集スキルがあれば始められ、収益が得られる
- 実践を通して編集スキルを伸ばすことができる
一方、切り抜かれるチャンネルは何もせずに次のようなメリットが受けられます。
- 切り抜き動画の宣伝効果で新規登録者が増える
- 切り抜きチャンネルから収益の分配を受けられる
切り抜くチャンネルの選び方(3つの基準と4つのジャンル)
どのチャンネルを切り抜くかは今後の成功確率や収益に大きく関わってきます。
切り抜くチャンネルを選ぶときは下記3つの基準が重要です。
- 【編集余地が大きい】動画がほとんど編集されずに配信されている
- 【編集箇所が多い】 動画に見どころが多く内容にメリハリがある
- 【編集価値が高い】 編集することで面白さが増すイメージが湧く
切り抜くチャンネルの選び方に関しては、よく次のようなことが言われます。
確かにその通りなんですが、これだけで選ぶのは非常に危険です。
なぜなら、チャンネルには切り抜きしやすいものとそうでないものがあるからです。
それを判断するのが、上で述べた「チャンネル選びの3基準」です。
ここからは切り抜くチャンネルを4つに分類し、それぞれの特徴を説明します。
チャンネル選びで失敗しないために、また自分に合ったチャンネルを選ぶために、ぜひ参考にして下さい。
トークライブ型チャンネルの特徴
ひろゆきさんや岡田斗司夫さんの切り抜きが有名なジャンルです。
大きな収益が狙えると話題になり、まさに切り抜きの王道と言えるジャンルです。
- 編集余地 ☆3点…ライブ配信がメインなので余地は大きい
- 編集箇所 ☆3点…テーマや話題ごとに切り抜ける箇所は多い
- 編集価値 ×0点…テロップ以外での付加価値がつけにくい
(各マークの点数:☆3点、○2点、△1点、×0点)
このジャンルに今から参入する人が意識するべきことは、テロップ以外の編集で新しい付加価値を生み出すこと。
それが先行する競合切り抜きチャンネルに打ち勝ち、収益を得るための課題です。
ゲーム実況型チャンネルの特徴
複数の人気VTuberを有するホロライブやにじさんじが有名なジャンルです。
プロダクションによってはガイドラインを設けて切り抜きを許可しているため、多くの切り抜きチャンネルが存在している人気のジャンルです。
- 編集余地 ○2点…ライブ配信が多く余地は比較的大きい
- 編集箇所 ○2点…ゲーム以外のシーンも多く比較的多い
- 編集価値 △1点…バーチャル映像がメインで付加価値をつけにくい
非常に人気もあり市場規模も大きいジャンルですが、収益化する難易度は高いと考えられます。
なぜなら、このジャンルの映像はバーチャルキャラ+ゲーム映像というパターンが多いため、YouTubeでの収益化にあたっては「再利用されたコンテンツ」や「繰り返しの多いコンテンツ」として付加価値が無いと判断される可能性が高いからです。
テロップやカット以外で付加価値を出すことができない切り抜きチャンネルは、収益化の際に苦労するかもしれません。
また、このジャンルで切り抜きをする場合、ゲーム映像の著作権についても押さえておく必要があります。
ゲーム実況動画はゲーム会社が著作権をもつ映像を使った二次創作物なので、それをさらに切り抜く場合に著作権の問題が無いかどうか確認しておいた方がよいでしょう。
著作権の課題をクリアすればとても魅力的なジャンルです
ネット番組型チャンネルの特徴
ウェザーニュースライブやABEMA系のチャンネルがあるジャンルです。
登録者数がそれほど多くなく競合の数も限られているチャンネルが多いです。
- 編集余地 ○2点…ライブ配信が多く余地は比較的大きい
- 編集箇所 ×0点…配信時間に対して切り抜けるシーンが少ない
- 編集価値 ☆3点…スキルとセンス次第で付加価値がつけやすい
どのジャンルでも、まとまった収益を得るためには視聴回数を稼ぐ必要がありますが、このジャンルには専門的なチャンネルが多く視聴者層が限られています。
番組や登場人物の魅力を編集で引き出し、切り抜き動画を一般視聴者にも見てもらう。
これがこのジャンルで切り抜きをするときの課題です。
ビジネス・エンタメ型チャンネルの特徴
このジャンルには有名なユーチューバーが多く、切り抜きチャンネルの数も多いような印象があります。
しかし、動画をしっかり編集してから投稿するチャンネルが多いため、ライブ配信を除けば切り抜きが成立しづらいジャンルと言えます。
- 編集余地 △1点…編集済動画が多く余地があまりない
- 編集箇所 △1点…ライブ配信以外は切り抜けるシーンが少ない
- 編集価値 ○2点…編集による付加価値は比較的つけやすい
ライブ配信が多いチャンネルならばトークライブ型の特徴に近くなると言えます。
切り抜きの許可を得る2種類の方法
許可なく切り抜き動画を投稿すると著作権に抵触する可能性があります。
切り抜き動画を作るには著作権を持っている人に許可を得る必要があります。
ここからは許可を得る2種類の方法を説明します。
直接連絡して切り抜きの許可を得る方法
個人で運営している小規模なチャンネル等は、おもにこの方法になると思います。
- メールやツイッターDMで切り抜きをしたい旨を連絡する
- 切り抜きOKであれば条件やルールなどを交渉して決定する
- チャンネルを開設して切り抜き動画の投稿を開始する
チャンネルによっては「誰でも切り抜き自由です」と公言している場合があります。
このような場合でも後でトラブルが無いように一報入れておくと良いでしょう。
ガジェット通信などの仲介組織に申請する方法
切り抜きの申請や収益配分について当事者の間に入って仲介している組織があります。
最も有名な組織はガジェット通信で、あの有名なひろゆきさんや岡田斗司夫さんをはじめ、数十ものチャンネルが登録されています。
登録されているチャンネル等はガジェット通信の切り抜きサイトでご確認下さい。
ここではガジェット通信を利用する場合のステップについて簡単に説明します。
- ガジェット通信のサイトから所定のフォームで申請する
- 事務局から返信内容にしたがって切り抜きを開始する
- しばらく投稿をして収益化が出来た段階で改めて申請する
- 申請が認められたら条件等の取り決めをして契約する
最初の申請タイミングはチャンネルを立ち上げた直後がベストです。
その時々の状況にもよりますが、基本的に申請すれば切り抜きを開始できると思います。
申請後はYouTubeのチャンネル収益化を目指して投稿を頑張りましょう。
正式な許可が得られるかどうかは、収益化が出来た後の申請時に審査されます。
実際に使っている!おすすめ動画編集ソフト2選
動画編集ソフトはたくさんの種類があります。
ネットで調べても結局どれを選べばよいのか分からないという人が多いかと思います。
特にこれから切り抜き動画を始める人には、編集機能が充実しているメジャーなソフトををおすすめします。
その理由は下記3点です。
- 多彩な編集機能により、動画に付加価値をつけられるから
- ネットやYouTubeで、簡単に情報が得られるから
- 動画編集の仕事やプライベートな動画の編集にも使えるから
つまり切り貼りとテロップだけではなく高度な編集までカバーできるソフト。
そのための情報やテンプレートなどが入手しやすく汎用的なソフトということです。
ここからは私が実際に切り抜き動画の編集で使用しているソフトを2つご紹介します。
実際に使っているので自信を持っておすすめできるソフトです。
ソフト名称 (メーカー) | Premiere Pro (Adobe) | Filmora (Wondershare) |
対象ユーザー | 初心者~プロ | 初心者~上級者 |
税込価格 | 月額2,728円【年間プラン】 (一括払いなら年額28,776円) | 年額6,980円【年間プラン】 8,980円【永続ライセンス】 |
体験版(無料) | 7日間 | 無期限 ※出力動画にFilmoraロゴが入る |
自動文字起こし機能 | ○あり | △あり(※30分間のみ) |
PC画面録画機能 | ×なし | ○あり |
必要システム構成 概要抜粋 | 対応OS:Windows10以降 CPU:Intel i6以上(推奨i7以上) RAM:8GB(HD16GB,4K32GB) GPU:2GB(HD4GB,4K6GB) | 対応OS:Windows11以下 CPU:Intel i5以上(推奨i6以上) RAM:4GB(HD,4K編集8GB) GPU:NVIDIAGeForceGTX700等 |
公式ウェブサイト | Adobe Premiere Pro | Wondershare |
※最新情報はメーカーHPでご確認下さい
動画編集ソフトの代名詞:Premiere Pro(Adobe)
Premier Proは動画編集業界で最も使われているという王道の動画編集ソフトです。
編集スキルを伸ばしたいという人はPremiere Proを選べば間違いないです。
- センスを活かしたオリジナリティのある編集をしたい
- 本格的に編集のスキルを伸ばしていきたい
- 切り抜き動画だけではなく他の動画編集の仕事もしたい
Premiere Proはよく習得に時間がかかると言われます。
しかし、それは高度な編集を使いこなす場合のことです。
ネット情報も豊富ですので初心者でも安心して使用することができます。
- 初心者からプロまでカバーする多彩な編集機能
- 他のAdobe製品やサービスとの連携
- 音声の自動文字起こし機能 ← 注目機能
注意点としては下記が挙げられます。
Adobe Premiere Proの公式ページからもぜひ最新情報をご確認下さい。
サムネ作成にうれしいフォトショップやイラストレーターに加えて2万種類以上のフォントや20以上のアプリがパッケージになったAdobe Creative Cloudコンプリートプランもおすすめです。
初心者でも楽しく使える:Filmora(Wondershare)
Filmora(フィモーラ)は直感的な操作と豊富なテンプレートで簡単に洗練された動画を作ることができるソフトです。
Filmoraを使えば、初心者でも簡単に完成度の高い動画を作ることができます。
- すぐに動画編集を使って成果を出したい
- おしゃれでかっこいい動画を作りたい
- プライベートの動画編集にも気軽に使いたい
Filmoraなら初心者でも買ったその日のうちに動画編集を始めることも出来ます。
またオンラインで様々な無料エフェクトや効果音が取得できるようになっています。
- 初心者でも使いやすい操作性と豊富なテンプレート
- コストパフォーマンスが高い(年額6,980円【年間プラン】)
- PC画面の録画機能 ← 注目機能
Wondershareの公式ページからもぜひ最新情報をご確認下さい。
チャンネル収益化までのながれ
YouTubeでチャンネル収益化するには2つのステップをクリアする必要があります。
- 登録者数1,000人と総視聴時間4,000時間を両方達成する
- YouTubeの収益化審査を受けて合格する
YouTubeで収益化を達成できるチャンネルは全体の約10%と言われます。
しかし、切り抜きチャンネルが収益化できる確率はさらに低いと私は考えています。
正確なデータはありませんが感覚的には5%以下じゃないかと感じています。
そう考える一番の理由はYouTubeの収益化審査の厳しさにあります。
ここからはそれぞれのステップについて説明します。
登録者数1,000人+総視聴時間4,000時間の達成
チャンネルを開設して最初に目標となるのがこの条件です。
条件を達成したらYouTubeの収益化審査を受けることができます。
具体的な条件は下記の4つです。
- チャンネル登録者数が1,000人以上
- 公開されている動画の総再生時間が4,000時間以上
- 2段階認証プロセス設定の有効化
- コミュニティガイドラインのアクティブな違反警告が0件
おそらくこの中で最も厳しい項目はチャンネル登録者数1,000人です。
登録者1,000人が達成できれば再生時間も4,000時間を超えていることが多いです。
上記の条件は、継続して投稿を続けていれば多くの人が達成できると思います。
早い人だと1~2カ月、遅い人でも半年~1年かければ達成できるイメージです。
登録者の伸び方は人それぞれですが、最初のうちはなかなか伸びづらいことが多いです。
あきらめずに投稿を続けることをおすすめします。
もし30本ほど動画を投稿しても登録者数が100人に満たないような場合は、一度立ち止まってチャンネルの方向性や動画の作り方を見直した方が良いかもしれません。
投稿している切り抜き動画が視聴者のニーズに合っていない可能性があるからです。
YouTubeによるチャンネル収益化審査のポイント
ここではYouTubeの「チャンネル収益化ポリシー」の内容をベースに、収益化審査のポイントを簡単にご説明します。
これから始める方や初心者の方は、ここに書かれている内容を知っておいて下さい。
そうすれば数か月後に後悔したり挫折する可能性が大幅に減ります。
まず、チャンネル審査時に重点的に確認される内容は下記5点です。
- 主なテーマ
- 再生回数の多い動画
- 最新の動画
- 総再生時間の多くを占める部分
- 動画のメタデータ(タイトル、サムネイル、説明など)
これらの内容をどのような判断基準で審査されるのかは明確にはされていません。
しかし、切り抜き動画チャンネルの審査結果に最も影響するのが「再利用されたコンテンツ」についての審査であることは間違いないです。
「再利用されたコンテンツ」とは自分で作成していないコンテンツを流用して作成したコンテンツのことです。
もちろん切り抜き動画は「再利用されたコンテンツ」に該当します。
YouTubeは著作権を侵害しない前提で「再利用されたコンテンツ」を認めています。
一方で、収益化が許可される例として次のようなポリシーを挙げています。
- 自分で作成していないコンテンツを編集により面白くしたもの
- 批評する目的で他者のコンテンツのクリップを使用したもの
- 元の動画に対してコメントを入れるリアクション動画
- 他のクリエイターの映像を編集しストーリーや解説を追加したもの
(※許可される例はこれらに限定されません)
最近、多くの切り抜きチャンネルがこの項目で審査不合格になっています。
その理由は、カットやテロップなどの最低限の編集だけで動画を投稿していたからです。
ポリシーは「視聴者に付加価値を与えるオリジナリティを確保する」ことが目的だとYouTubeが公言しています。
つまり切り抜き動画で収益を得るためには、編集で付加価値とオリジナリティをつけることが最も重要な課題だということになります。
切り抜き動画を始める初心者が知っておくべきこと
前項で述べたように、切り抜き動画の収益化には付加価値とオリジナリティが必須です。
しかしこれは、切り抜き動画で稼ぐことが難しいということ言いたいのではありません。
逆に、今から切り抜き動画を始める人にとっては大きなチャンスだと言えます。
このパートでは、YouTube切り抜き動画市場の問題と今後の課題について説明します。
この内容を知っておくだけで、今後チャンネル運営する上で圧倒的に有利になります。
低品質・低付加価値チャンネルの乱立が問題に
現在、YouTubeの切り抜き動画市場には大きな問題が存在しています。
切り抜き動画に対して視聴者からの次のような不満の声をよく聞きます。
つまり「低品質、低付加価値、あるいは悪質な切り抜き動画が多い」ということです。
切り抜きを許可(黙認)していたチャンネルがNGにするケースも出てきています。
YouTubeが求める付加価値のある動画
切り抜き動画市場の問題に対してYouTubeも対策に乗り出していると考えられます。
なぜならチャンネルの収益化審査が日を追うごとに厳しくなっているからです。
YouTubeは著作権を侵害しない前提で他者のコンテンツの再利用は認めています。
しかし収益化するには「新たな価値が付加されていること」が必須と言っています。
今はまだ、ほぼ無加工の切り抜き動画でも、速さと投稿数で視聴回数を得られています。
しかしチャンネルを収益化をすることはすでに難しくなっているはずです。
YouTubeアルゴリズムが更新され、視聴回数が伸びなくなる日も近いかもしれません。
現時点で収益が得られている切り抜きチャンネルでさえ、いつ収益権が剝がされるか分からない状況です。
下の表は、編集による付加価値を5段階に分けたものです。
- 【ほぼ編集無し】最低限のカット編集とテロップのみ
- 【ちょっと編集】細かいカット編集、フルテロップ
- 【まあまあ編集】レベル2+基本演出(効果音、エフェクト等)
- 【しっかり編集】レベル3+独自演出(コメント、説明、ストーリー性等)
- 【びっくり編集】レベル4+革新演出(これまでにないアイデアの編集)
これまでの切り抜き動画はレベル1とレベル2がほとんどでした。
最近になってレベル3の動画を出せるチャンネルも増えてきています。
初めのうちは簡単な編集だけで投稿しても良いと思います。
ただし登録者数1,000を達成する頃には、レベル3できればレベル4の動画をチャンネルの主力動画にしておきましょう。
付加価値レベル3以上の編集が出来るようになれば、次のようなメリットが得られます。
これらのメリットは、これから切り抜き動画を始めようとする人が思い描いている「理想の姿」とも一致しているのではないでしょうか。
【まとめ】切り抜き動画の始め方
最後に切り抜き動画を始めるためのステップを簡単にまとめます。
- 切り抜くチャンネルを選ぶ
- 動画編集ソフトを入手する
- YouTubeでチャンネルを開設する
- 切り抜き相手、または仲介組織に許可を得る
- 切り抜き動画を作成して投稿を開始する
本記事では切り抜き動画を始めるときに知っておくべき知識やコツを説明しました。
皆さんが活動を始めるにあたり少しでも参考になれば幸いです。